北上川概観

このサイトでは北上川の中流域を中心に見ていくつもりですが、まずは北上川の全体像を俯瞰しておきます。

(「北上川 第一輯」(S48.3 東北地方建設局岩手工事事務所)より)
北上川水系図概要
北上川は宮城、岩手両県に跨る東北地方第一の大河川にして、源を岩手県岩手郡岩手町御堂に発し、北上、奥羽両山脈から発する大小幾多の支川を合せ、岩手県を北から南に縦貫し、一関下流の狭窄部を経て宮城県に入り、柳津地先で新旧両川に分流され、新北上川は追波に、旧北上川は石巻港に注ぐ、幹川流路延長 250.587km、流城面積 10,244.68k㎡の大河である。…

河川状況
北上川の水源は手県岩手郡岩手町御堂の山中に発し、同町丹藤において東方一帯の山地より流れ出る水を集めて西流する左支・丹藤川を合し、大湾流し、北方西岳に発し南流する右支・一方井川を台せ、挟長な沿岸平野を南流する。
岩手郡玉山村字川崎で、西方大深嶽(1,541m)の東谿に発し岩手山の北方を東流する右支・松川を合せ、北上山脈の古生層地に沿い屈曲の末盛岡市に達し北上平野に出る。ここにおいて右支・雫石川及び東方北上山脈に発する左支・中津川、簗川の支流を容れ水量が急激に増大する。以後山脈の西辺に沿い南下し、石鳥谷町において左支・稗貫川を合し、後、東方よリ流下する長流、左支・猿ヶ石川を花巻市において合流し、更に、右支・瀬川、同豊沢川等を合せいよいよ水量は増大する。
本川は、更に南流し、北上市黒沢尻町に至り右支・和賀川を合せ、金ヶ崎町下流において右支・胆沢川を合し、江刺市で左支・広瀬川を、水沢市羽田地内で同じく人首川を含せて南流する。前沢町地内白鳥において一大湾曲をなし流向を南東に転じ、平泉町附近より下流では派川を生じ、左岸山脚に沿い反向曲線を画き一関平野に至リ、栗駒山(1,627m)に発する磐井川を合せ、後、狭窄部に入る。
この狭窄部によって、一関平野は出水毎に湛水し附近の耕地を侵す。狭窄部の中程川崎村附近では幾分両岸が開け左支・砂鉄川、千厩川が合流する。その後、再び山間狭窄部に入るが所々に侠小な平野が両岸に見られ、藤沢町黄海に至って左支・黄海川か流入する。
更に、狭窄地帯を縫い花泉町東永井に至り右支・金流川を加え、宮城県登米郡に入り浅水、水越地先において東に折れ更に北流し、左支・二股川を合流し反転して米谷町の北端より南に方向を替え登米町に至り左支・羽沢川を合せ、三度、山狭を経て柳津町に至り南沢川を合流し、ここにおいて新旧両北上川に分流する。
旧北上川は柳津町よリ豊里町に人リ、二屋にて右支・迫川及び旧迫川を加え遠田、桃生両郡界にて東北に追波川を分派す。本流は、南に折れ石巻市蛇田字高屋敷にて流向を東に転じ稲井町に入り真野川を合せ南西に流れ、更に、南流して石巻湾に入る。
又、柳津より分流した新北上川は山狭を南に流下し、飯野川町にて東に折れ、皿貝川、富士川を合せ追波湾へ注いでいる。

北上川周辺図
北上川周辺図

[参考]
北上川水系図 (拡大図)
北上川周辺図 (拡大図)
(これらのリンクを右クリックして、[開く]を選択すると、拡大表示できます。)

(2014.5.8掲)