数年前に東十二丁目の南部を東西に横断する高圧送電線が建設された。それは地域住民の生活に直接影響するものではないかもしれないが、東十二丁目の景観に新しい要素を加えた。
この送電線は何のために設けられたのか? どこからどこへ通じているのか? 何ボルトの電気が流れているのか? 色々気になるので調べてみると…
■送電線路名:北上東線
区 間:東花巻変電所(花巻市東和町鷹巣堂)~ 北上変電所(北上市藤沢)
全亘(こう)長(鉄塔基数):20.3km(75基)
電 圧:154kV
工事着工:平成28年(2016) 6月
運用開始:平成29年(2017) 10月
建設目的:岩手県花北地域へ新たな電力供給ルートを構築し、同地域のさらなる電力の安定供給を図るため。
○東花巻変電所の概要
(1) 所在地:花巻市東和町
(2) 主要変圧器:30kVA×2台
(3) 接続送電線:275kV 2回線(東花巻支線)
154kV 2回線(北上東線)
(4) 工事期間 (着 工)平成27年 3月
(運用開始)平成29年10月
○東花巻支線概要
(1) 区 間:早池峰幹線No.92鉄塔 ~ 東花巻変電所
(2) 全こう長(鉄塔基数):3.3km(10基:分岐鉄塔含む)
(3) 電 圧:275kV
(4) 工事期間 (着 工)平成28年 2月
(運用開始)平成29年10月
■東北電力が東花巻変電所を公開
(THE SANKEI NEW (2017/11/2)より)
…東花巻変電所は県内3番目の超高圧変電所。東方向の東花巻支線で県内を南北に走る早池峰幹線、西方向の北上東線で北上変電所とそれぞれ結ばれ、早池峰幹線からの27万5千ボルトの高圧電力を15万4千ボルトにして北上変電所に供給する。
北上変電所は従来、南の栗駒線、北の盛岡線から15万4千ボルトの電力供給を受けてきた。…「東花巻変電所の運用開始で新たな供給ルートができ、事故があった場合の対応も含め、更なる電力の安定供給につながる」と説明している。
■ 地元の人に聞いてみると:
(1) 目的:北上市成田の北上工業団地への送電
(この頃(建設当時)まだ発表されていませんでしたが、キオクシア(旧・東芝メモリ)の工場誘致が決まっていたのだと思います。)
(2) 送電ルート:東和町~臥牛~東十二丁目19地割~同23地割~北上川横断~北上工業団地
(3) 鉄塔建設、架線:平成29年頃
(4) 地元の反応:田圃に鉄塔が建てられた者や高圧線近くの住民は ①耕作の邪魔になる ②低周波で健康に影響があるのではないか?など心配をしていましたが、建設後は特に不満は聞こえませんでした。
(5) 最近の動き:半導体メモリー会社キオクシアが操業を開始して間もなく、もう一本の送電ルートの測量、用地買収が行われました。令和2年の完成を目指していたようですが、会社の上場延期などがあり現在は動きが止まっているようです。
(2022.3記)