高天原 in Hidakami-koku : 「日高見国」再見

(「日本とユダヤの古代史&世界史」(注1))より)

本ブログではこれまでに何度か「日高見」について取上げてきました(注2)が、本稿では近著から抜粋・紹介します。

縄文時代にあった「日高見国」とは何か?「高天原」はどこか?
茂木
:…田中先生がお話しする神話の話はもう全部がリアル。神さまもすべて実在し、実際にあった出来事であるということが大前提ですよね。
田中:『古事記』や『日本書紀』には神さまの名前が沢山出てきますが、ほぼ実在した人物であると私は考えています。もちろん伝承されたものが文章になったわけですから、詩的な表現や誇張した言い回しなどもあるでしょうが、大元の話は真実の出来事であると思います。誰かが創作したフィクションではないのです。例えば「高天原」というのは、「天界」だと思われていますが、私は実際に存在した場所であると考えています。
茂木:…まずは田中史学の真髄であります「日高見国(ひだかみこく / ひだかみのくに)」のお話に入っていきたいですね。
「日高見国」とは、縄文時代から東日本を中心に存在していた古代国家……ということですが、初めて聞いたという方も沢山おられると思いますので、「日高見国」の基礎知識をまずはお話できればと思います。その名前がはっきり出てくるのは『日本書紀』や『古事記』でしょうか?

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死ぬるということ -母の訪問看護記録から-

私の母は平成29年(2017) 1月25日にサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)で亡くなりました。94歳、今年が七回忌です。
亡くなるまでの1年分の日記を2020年3月から「老いるということ -母の日記から-」と題して本ブログに投稿したのですが (⇨https://hitakami.takoffc.info/?s=母の日記)、亡くなる直前2ヶ月は何も書かれていませんでした。
本稿では残されていた「訪問看護記録」から最後の2ヶ月の記録(抜粋)を転載します。タイトルを「死ぬるということ -母の訪問看護記録から-」としました。「死ぬる」とはあまり耳慣れない用語と思いますが、前稿の「老いる」に合わせてみたものです。(注1)

母は28年9月中旬に腹痛が続き岩手県立中部病院に入院、胃癌と診断されました。月末の退院時に緩和ケア病棟への転院を希望したのですが、満室で叶わず、空くまでの間サ高住で在宅療養することになり…

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「東十二丁目誌」補解の補覚書:
昭和20年代の島小学校

      -「島小学校100年史」(S48年11月3日 島区民会発行)より-

▪ 沿革通史

昭和22.3.31  教育基本法、学校教育法の公布により6・3・3・4制度となり、小中学校を義務制とし9カ年となる。
(中学校は昭和22年4月、小学校と高等学校は昭和23年4月、大学は昭和24年4月からそれぞれ発足した。)
小学校の教科目は、国語、社会、算数、理科、音楽、図画、工作、家庭、体育、自由研究の10科目となる。
昭和23.3.31  矢沢小学校島分校を廃止し、独立島小学校となる。
昭和23.4.29  島小学校開校式を行う。
昭和23.8.3  校舎2教室50坪増築
昭和27.3.1  給食調理室(10坪)開設す。
昭和27.3   講堂(84坪)新築

特色ある学校経営 ―成果を讃えて―
健康教育の実践
昭和25年の定期身体検査は、全国平均に比較して、身長、体重共に劣っていること、また呼吸器系統疾患も9名を数え、その対策が急務であることを示したが、これに対して学校が取組んだ大要を当時の記録から摘記してみたい。

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昭和20年代の島小学校

歌唱台湾 拾い読み

「歌唱台湾」(陳培豊著、2021.9.30 三元社発行、A5版 375pp、3500円)、
サブタイトル:重層的植民地統治下における台湾語流行歌の変遷。

本書の帯に次のように記されています。
《「歌唱台湾」=「台湾を歌う」。本書は台湾語流行歌から台湾を描き出そうとするものである。台湾語流行歌の日本化は戦後、国民党政府支配になってからである。台湾人が日本的な要素を自らの歌唱文化に取り込んだのは、いかなる要因に由来するのだろうか。台湾社会が工業化へ向かう中、何が起こったのか。農村人口が大量に移動し始める戦後の社会的な変遷の中で、台湾流行歌はいかなる需要を基盤に、どのようにして日本演歌と共に自分が歌う「伝統」を作り出したのか。》

私は2~3年前から「台湾で台湾人が歌う(演奏する)日本演歌」を聞くことが多くなりました。そして「何故台湾で日本演歌なのか?」と不思議でなりません。
ネットの動画などを見て、台湾で日本演歌を歌ったり、聞いたりする人が結構いるのは間違いないと実感するのですが、日本演歌が一般の台湾人にどれ程受け入れられているのか? 受け入れられているとすればそれは何故なのか?
こんなことを気にしながらあれこれ調べているうちに、辿り着いたのがこの「歌唱台湾」です。

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酒杯情:台湾で小林旭

「酒杯情」は小林旭(注1)が歌う「惚れた女が死んだ夜は」に付けられた台湾語のタイトルです。
台湾で歌われる日本演歌についてはこのブログで前に取上げましたが(注2)、その中でも蔡小虎が歌う「酒杯情」はかなりの熱唱です。なぜこんなにまで感情を込めて日本の演歌を歌えるのか…?

まずは蔡小虎の「酒杯情」をお聴き下さい。歌の前半が台湾語、後半が日本語で歌われます。

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2022年、今年の出来事

2月4日以来、今年2度目の投稿です。そして今年最後の投稿!
2月4日の年頭所感に、「先ずはこのブログをどうするか?結構手間隙がかかり、楽しみでもあり苦でもあり… 適当なところで幕引きにしようと思っています。」と記し、グズグズしているうちに今年も終ろうとしています。

今年最大のテーマであった「『東十二丁目誌補解』の出版」は割合順調に進み、6月に印刷することができました。
150部ばかり印刷し、国立国会図書館や花巻市立図書館に納本・寄贈したり、東十二丁目の神社に奉納したり、ご縁のある方々にお贈りして、残り50冊ほどになっています。
年頭所感に「『補解』の出版作業が順調に進めば、『東十二丁目誌補解・別冊』を考えてみようか、などと欲を出しています。」と書きました。来年はこちらに取り組んでみようかと思っていますが、どうなりますことやら…
書名だけは決めました。「東十二丁目誌補解の補」

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