(小沢俊郎著「北上川に沿って」(「宮沢賢治研究叢書②賢治地理」 1975 学藝書林)より)
…(註1)…本流についてはどうだろう。学生時代の北上川観を見ることは、また盛岡附近の北上川観になろう。ただし、「北上川」の名が最初に出てくるのは、
そのおきな / をとりをそなへ / 草明き / 北上ぎしにひとりすわれり
である。大正3年4月作だから、中学卒の在花巻時代の作になる(註4)。盛岡での作には、
北上は / 雪のなかより流れ来て / この熔岩の台地をめぐる (大五・三より)
というスケールの大きい歌などがある。…
しかし、そのあといくらも経たぬうちに賢治の北上川観は変る。いや、盛岡の北上川に対し花巻の北上川が異なるのだといってもいい。 続きを読む 賢治の見た北上川
