(川路賢一郎著「シエラマドレの熱風」(2003 パコスジャパン)より)
…照井亮次郎は1874(明治7)年6月10日、岩手県稗貫郡東十二丁目村で、父亮蔵、母マスの4人兄弟の第三子、次男として生まれた。兄弟姉妹として、姉・照、兄・敬三、妹・すぐ(寿久)がいる。[彼の生れた]「長根」[部落]は昔から北上川の洪水の被害を受けるところであったため、照井家の家屋は、二階建てであった。この辺りは米栽培を中心とした農業地帯であり、9月になると、稲がたわわに実り黄金の色が回りの風景を染める。また、養蚕のさかんな所でもあった。…
「稗貫郡矢澤村郷土教育資料」によると、少年時代の亮次郎は「幼少既ニ覇気ニ富ミ且活溌ナル個性ヲ有シタリキ」と記されている。
1880(明治13)年、彼は東十二丁目小袋(下等)小学校(明治20年…、高木村の高木尋常小学校と合併、後に島小学校となる)に入学した。… 続きを読む 亮次郎の少年時代