在トルコ ウイグル人の手紙

本稿は前々回の投稿「トルコのウイグル人」の続編です。タイトルを「在トルコ ウイグル人の手紙」としましたが、本当は「Eメール」 ?!。
前々回、「更にこのメールには、彼の思いのたけが縷縷(るる)記されているのですが、こちらについては改めて彼の了解が得られれば、載せようと思っています。」と書きました。こちら↓がその内容です。

《…中国さんは世界各地で破壊工作や国家テロや侮辱を続けて来ています。彼らには良心も、宗教信仰も、道徳も、人間性も全くないので、平気で嘘や侮辱を簡単にでっち上げできる。中国は直接攻撃してくるのと、手先を動かすのと、スパイや外国人を雇ってインターネットで名前を名乗らず悪魔にも分からないことを発言したりする。アッラーが地獄(いや、実は火獄です)を彼らの為に用意して置いたと思うほどです。

4年ぐらい前に中国政府が、私を非難してA4で100ページぐらいの起訴状を「秘密」と印してトルコ政府に提出し、私を逮捕して彼らに引き渡して欲しいと求めてきた! 妻や子供たちの身分インフォや写真も載っていた。
2008年春にトルコの国籍を取得したにも関わらず。
彼らはこの世界を自分達が支配する、と昼間に夢を見ているに違いない。

私が訪問しただけの反中サイトなども私の罪だった。2016年まで東南アジア諸国でウイグル人難民を助けた大事な仕事も私の罪だった。人間の命を助ける活動も中共に言わせたら犯罪でした。
中華帝国のお墓を造らなければならないと思う人々は溢れている、世界中に。

上海協力機構をはじめ一部の国の政権やその役人が腐敗していて、中国から賄賂をもらい、ウイグル人難民を逮捕して引き渡したりしてきた。神様の正義も無く、そう言う奴の良心は犬に噛まれている、まるで。中国の共犯者が少なくありません。国民がムスリムである諸国も含めてそうです。

 東トルキスタン国内では、歴史上最も残酷な弾圧が全面的にスタートしています。2016年の秋から東トルキスタン固有国民の旅券が没収されていて、海外旅行経験のあるウイグル人などは逮捕されています。各地で変わった名称の刑務所が設けられ、今までに1千万人ぐらいのウイグル人(中にカザフ人などもいる)が収監、拷問、洗脳されているのと、百万人ぐらいが拷問で残酷に殺害されたとの話が流れています。
カシュガルなどウイグル文化の香りが漂う遺跡や民家や施設が壊されて、中国の□□□ものに置き換えられている。

ウイグル語教育がだんだん禁止され、大人の男は逮捕、弾圧され、残った家に漢族男性を派遣。親を逮捕し、ウイグル人の子供達を中国の内地(万里の長城の中の各地)や東トルキスタン内の決まったところに集め、漢民族の言葉や汚い習慣を強制的に教えて、全くの同化計画。
言葉で言えない圧力、国家テロが広がっている。2016年から 東トルキスタンにおける外国人留学生、旅行者、ビジネスマンなどのビザがキャンセルされ、追い出された。その後ウイグル人口の3分の1を殺害しようと計画をスタート。…》

21年前のカシュガル近郊で (注2)

その後ブログの内容確認などでメールのやり取りがあったのですが、その中にこんなことが書かれていました。

《…約3年前に中国の起訴状(A4で100頁ぐらい)をこちらの警察署で見ました。
私が2002年9月にトルコに亡命したにも関わらず、その後ウイグル人の東トルキスタンでおこった報復活動や中国警察(中国人もたまにウイグル人もいた)、中共に忠誠な公務員などを殺した殺人事件(家族が殺害・弾圧されたウイグル人の報復)を私に貼り付け、公安部、カシュガル検察院、ウイグル自治区裁判所などの判決書などがあり、一部を下手くさいトルコ語に翻訳されていた。もちろんウイグル語訳文もある程度載っていた。100頁ぐらいの資料のカバーに「秘密」と書いてあり、こちらの警察官は私の弁護士にだけ渡したが、中は中国語がほとんど、後はウイグル語があるので、トルコ人の弁護士は全く分からなく、「エリキンさん、自分で読んで、内容を教えてください。」と頼んできました。

良心が犬に咬まれた中華帝国の人々は18年前に遥かヨーロッパの土地に亡命した(植民地の)国民を「東トルキスタン国内で」国家転覆罪、祖国分割罪、反中国テロ活動(難民救援・支援活動を指す)などで非難してきた。
中華帝国がトルコ政府に求めたのは:1.本人を逮捕 2.本人名義の財産があれば全てを凍結する 3.本人を中国に引き渡す、ことであった。国籍も12年前に放棄し、外国(トルコ)の国籍を持っているのに。…》

21年前のタクラマカン砂漠南縁の砂漠郷で (注2)

3月になってから届いたメールでは…

《…その後相変わらず忙しかったです。難民の困ったことが冬の間に増えてきます。暖房の天然ガス代、冬服、電気代、食品とかで普段より負担が重くなります。私もほかの難民も同じです。
時間が経つのも本当に早いですね。あっという間に3月がやってきました。

小麦粉、お米、ヒマワリの油、卵、オリーブ、毛布などは普段難民達に提供していますが、年末から子供のコート、靴、暖かいスカーフ、帽子、副食品(砂糖、紅茶、塩、トマトソース、お米、500グラム蜂蜜)なども含めました。蜂蜜は初めてですが。400家族ぐらいに油 5リッター付きで。

先月からイギリスの支援協会と協力して、約200家族ぐらいの未亡人、孤児、病気などの家族に現金支援をしています。人数は少ないですが、最も困っている難民をそれぐらいでも助けてあげています。現金支援をもらえた皆さんが涙しています。家賃も、電気代、水代、冬中増えてくるガス代…などで赤字になっている家族は非常に喜んでいます。
そういう状況の違う家族のリストを作成したり、関係者に送って、解決した後知らせて、来てもらったり、支援物を家まで送ってあげたり、難民協会の事務所で配ったり、忙しい毎日でした。…

問題は敵がこのブログを見た後にどういう破壊工作をしてくるかです。3500万人の国民を圧迫し、殺害までしながら、恥知らずに東トルキスタン侵略も、全面的な強盗も、圧迫も、私たちの宗教、文化、家族を消滅する犯罪も含めて、すべての犯罪を国内でも国際社会でも否定しています。
中華帝国のこれらの犯罪を日本国の皆様をはじめ、国際社会に訴えていかなければならない。敵は国力を悪用して、彼らの侵略、種族消滅、人類やその文化に対する破壊行為などを隠し、犯罪を善だとプロパガンダしています。私たちは被害者として事実を公開しなければなりません。正義を愛する皆さんも私たちの正義なる闘争をご支持、応援して頂ければ幸いです。

東トルキスタンの諸問題を取り上げていくには皆さんの応援とご支持がなければなりません。情報の収集、編集、公表、ウェブサイトの購入、管理、アップデートなど。必要な人材と資金が必要となります。志願者の方を心より歓迎いたします。
例えば、私が書いた(日本語の)ニュースや翻訳したニュースや情報などの校正や技術的なサポートも含めて、協力していただきたいです。
東トルキスタン難民を主に、西トルキスタン難民及びほかの難民まで支援しようと成立した「世界被抑圧者及難民協会」の規約により、トルコ国内および世界各地で支協会や事務所を設立する権限(資格)を持っております。皆さんが支持して頂ければ日本でも支協会か事務所を作り、口座番号開いて活動を広げていきたいと思っております。

メディアも大事です。新しいドメインネームですが、www.muhacirler.org.trですが、作成中です。(Muhacir, Muhajir-ムハジルはアラビア語で、イスラム信仰及び命を助けるために故郷から亡命したムスリムのことを指す。普段移民、難民などの類語を使う方もいますが、ムハジルはヒジレット(移動)をした人で、祈祷を目的とする。ただ安全な環境を狙って、良い生活をするつもりで移動した人はムハジルと言えない、移民になど。)ドメインはトルコ語の「ムハジル達」を指すMuhacirler を使いました。ウイグル語だとローマ字でMuhajirlar になる。ご参考まで。…

今日は、イスタンブール在住のウイグル人女性が、千人になるか分かりませんが、中華帝国のイスタンブール総領事館の前に集まってデモ行進や記者会見などをする予定です。トルコ人女性も応援してくれます。
3ヵ月ぐらい前から総領事館の前にウイグル人が数十人から数百人まで毎日集まって東トルキスタンの刑務所やキャンプを閉鎖してくれ! 私たちの家族を釈放してくれ!-と家族の写真を掲げて、訴えてきました。それから東トルキスタンや中国の内地でウイグル女性に対する非人道主義的な犯罪をやめてくれ! と… 》

[補足]
(注1) 冒頭の地図をこちらで拡大表示できます。
(注2) 1999年10月、カシュガルにエリキンさんを訪ねた時の写真です。
 ・1枚目は、カシュガル近郊を一人自転車でブラブラしていた時にすれ違った少年と騾馬。
 ・2枚目は、彼と二人で1泊旅行に出かけた時に撮ったもの。場所はタクラマカン砂漠南縁にあるヤルカンド郊外の砂漠郷。
  (いずれも右クリックで拡大表示できます。)

(2021.3.20掲/3.21改)

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